春の新茶とは違う秋摘み茶の魅力とは


お茶の季節は?と聞かれたら、やはり4月から5月の新茶の時期を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実際に市場としても非常に賑わう季節であることは間違いありませんが、今回はそんな新茶に負けず劣らず、美味しいお茶をいただくことが出来る隠れた旬「秋摘み茶」について、ご紹介したいと思います。

秋摘み茶の特徴


一般的にお茶は春の新茶が有名ですが、お茶の収穫は春だけではありません。4、5月の一番茶を収穫した後も芽は再び伸び、二番茶、三番茶と続きます。9月中旬から10月中旬にかけて出てくる新しい芽を摘み取ったものが、秋摘み茶で、これが一年最後の収穫になります。この時期は春の新茶を摘む季節と似た気候になるため、おいしいお茶が収穫できます。

しかし、春ほど量はとれずほとんど市場に出回らないので、あまり聞き慣れないと思う方もいることでしょう。全てのお茶屋さんで扱っているわけではありませんし、扱っている場合でも、期間限定かつ数量限定となっていることがほとんどです。気付いた時には売り切れていた、ということも多い秋摘み茶は、まさに秋ならではの旬の味と言うことができます。

木になるそのお味ですが、とても香ばしく春の新茶とはまた違った、さわやかですっきりとした味わいです。あまり苦味は強くないというのも特徴です。また、お茶に含まれる成分にも特徴があります。お茶に含まれていることで有名な成分というと、「カテキン」を挙げる人が多いでしょう。カテキンの健康効果を期待してお茶を飲んでいる人も少なくありません。カテキンは茶葉が日光に当たることによって作られる成分です。ですので、夏に強い日差しを受けて育っている秋摘み茶は、お茶の中でも特にカテキンが豊富なお茶に仕上がっています。

秋摘み茶に豊富なカテキンの作用


「カテキン」が健康に良いというイメージはあっても、一体どのような健康効果があるかはよく知らない、という方もいらっしゃると思いますので、簡単にまとめてみましょう。
「カテキン」はお茶の苦味や渋みの元になっている成分で、ポルフェノールの一種です。紅茶やウーロン茶など様々なお茶にも含まれていますが、緑茶に含まれる量が最も多くなっています。

緑茶の中でも玉露などは少ないのに対し、秋摘み茶は含有量が非常に多く、カテキンの健康効果を望む場合、秋摘み茶は最適な選択です。カテキンで特に注目を集めるのは、抗酸化作用です。体内の活性酸素が過剰になると、細胞や遺伝子を攻撃してガンや動脈硬化などの病気を引き起すリスクが増加します。活性酸素は美肌の敵であるシミやシワを作ってしまうことでも有名です。カテキンには余分な活性酸素を体内から取り除く作用があるので、生活習慣病の予防やアンチエイジングを強力にサポートしてくれます。また、カテキンはガンの予防に有効なだけでなく、コレステロール対策にも有効です。血液中のコレステロールの量を抑制することができ、心筋梗塞や動脈硬化などの血管に関係した疾患を防ぐのに役立ちます。

その他にも、殺菌・抗菌効果もあります。食中毒を引き起こすことで知られる黄色ブドウ球菌やO157やサルモネラ菌に効果を発揮します。生ものを提供するお寿司屋さんで、昔からお茶を出す習慣があるのは、実はとても理にかなっているのです。抗ウイルス作用もあるので、インフルエンザの予防のために、お茶を飲んだりお茶でうがいをしたりしている方も少なくありません。

また、お口の健康にも役立ちます。虫歯菌そのものへの抗菌作用だけでなく、歯垢が歯にくっついたり、歯を溶かす酸が出たりするのを防ぐ作用により、虫歯になりにくい口内環境を作ってくれます。口臭を抑える働きもあり、ご飯の後にお茶を飲んだり、お菓子と一緒にお茶を飲むというのは、おいしいだけではなく、口の健康にとっても良い習慣です。

この様にカテキンが効果は様々な分野で再注目れています。もちろん、お茶は薬というわけではありませんので、飲んですぐ効果が出るというものでもありませんが、日頃からお茶を飲む習慣があると健康維持には一役かってくれそうです。ちなみにカテキンは、ペットボトルやサプリメントよりも、お湯で淹れたもののほうが安全かつ効率良く摂取できます。多少面倒に感じるとしても、茶葉から緑茶を毎日淹れて飲む習慣をつけることが健康増進につながります。

秋摘み茶の楽しみ方


特別な淹れ方があるわけではありませんが煎茶の場合、沸騰させたお湯を70から80度まで冷ましてから淹れると、香り高い秋摘み茶をより楽しむことができます。春の新茶との味わいの違いを楽しみながらいただきましょう。なお、カテキン摂取を重視する場合は、80度以上のやや高めの温度のほうが抽出率は上がります。そこで、1回目は低めの温度で出して秋摘み茶の香りやうまみを十分に味わい、2、3回目は高めの温度でカテキンをしっかり抽出して健康増進、というのがおすすめの飲み方です。

実りの秋はおいしい物も豊富です。栗やさつま芋や柿などを使ったこの季節ならではのお菓子をお茶うけにしていただくのも楽しみの1つになります。秋摘み茶と季節のお菓子で秋を感じながら、ゆったりとしたひとときを味わえるでしょう。

お茶の里城南