手軽にできる水出し茶でより良い健康作りを

水出し茶に見るお茶の歴史

茶は本来はツバキ属の常緑樹である茶の木の若葉を加工したものですが、何かしら効能のある植物の葉や茎、あるいは果実や花びら、根などを乾燥させ加工したものをお茶の名を付けて呼ぶ茶外茶もあります。日本でこれに相当するものは、麦茶やハト麦茶を始めとする健康茶で、ほかにも野草茶や代用茶、養生茶に漢方茶や変わり茶などが挙げられるでしょう。また特殊なものとして、菌類を使ったもので日本でもブームとなったキノコ茶、中国にある茶の葉を食べる虫の糞を集めた虫糞茶、アフリカのマサイ族の間で飲まれる象糞茶などがあります。

一般的にお茶とされるものは、無発酵の緑茶とお茶の葉を発酵させて作るお茶がありますが、発酵茶の種類には発酵過程の違いや熟成度によって、細かな区別がなされています。中国茶でも緑茶はあり、日本同様無発酵ですが製法に違いがあり、発酵茶には発酵の違いで白茶や黄茶、青茶に紅茶や黒茶と大きく6種類に分ける事ができます。

お茶は紀元前からあったとされており、早くからその効能に気づき飲まれていました。発祥地とされているのは中国の四川・雲南省のメコン河の上流とされ、隣国にはミャンマーにラオスやベトナムと隣接している地形で、現在でもお茶の古木が多く見られます。

中国の神話では、農業と漢方の祖とされる神農大帝が書物に出てきますが、神農はこの茶の葉を飲むのではなく、食べる薬として用いていたとされています。元々漢方を薬としての効能を明らかにしたのは、先人たちが見も知らぬ草花を食べ続けてきたおかげで、時には死に直面する事もあったとも考えられ、こうした効能のある植物の中にお茶の発見があったわけです。やがてお茶は様々な製法が考案され、その地位を高めていきました。

水出し茶と日本茶の種類

水出し茶は日本の真夏の風物詩として昔から飲まれて来たものですが、甘くて冷たいお茶は夏場の水分補給にもうってつけの飲み物と言えるでしょう。昔から茶摘み歌でも聞かれるように八十八夜で茶摘みが行われますが、これは立春から数えたもので八十八夜を過ぎた頃に一番茶と呼ばれる新芽が吹き出し始めます。お茶の葉は摘む時期により1番から3番茶まであり、1番最初に摘まれるものだけが、新茶としてこの世に出る事になります。

新茶は昔から、無病息災の縁起物として飲まれており、この初物を頂く事で一年間の健康が約束されると信じられてきました。日本の茶は、そのほとんどが緑茶で、種類もかなり豊富ですが、製法やお茶の部位、または混ぜ物をする事で名称が変わってきます。流通の多さから行くと、一番飲まれているものが煎茶と呼ばれるもので、蒸して揉んで荒茶を製造するもっとも一般的なお茶です。次に多いのは、鬼も十八番茶も出花と言われるほどポピュラーな番茶ですが、これも煎茶ですが3番茶以降の葉を摘む時期が秋口という意味で、晩茶と呼んだり規格外で番外という意味から番茶とも呼ばれます。

地方によっては、この番茶をほうじ茶とも呼ばれる事もありますが、本来のほうじ茶は200℃ほどの高温で香ばしさを出したもので色は茶色いのが特徴です。玄米茶もこの香ばしさを引き出したお茶で、ほうじ茶と同様に美味しく召し上がるには、煮えたぎったような高温で入れるのがコツです。逆に高級茶葉として知られる玉露やかぶせ茶は、60℃ほどの低温で入れるのが美味しく飲むコツですが、2分ほど置きじっくりと旨味を出すのがポイントとなります。

水出し茶を入れるコツとその驚く効能

水出し茶は、お茶の葉をお湯では無く水で入れるのが特徴で、お茶の葉に含まれるテアニンやビタミンCといった成分が壊されずに引き出される為に、甘みが多く残る方法の一つです。水だし茶で使うのは一般的な煎茶を利用しますが、深蒸し茶のように上質なお茶の葉ほど美味しく召し上がる事ができ、これを市販のティーバッグに詰め込みます。お茶の葉の量は、10gから15g程度で1Lの水を入れますが、使う水は水道水を一旦沸騰させた水か、名水と呼ばれる湧き水なども最高です。

しかし、ミネラルウォーターは、日本の軟水と違い硬度がある水が多く、お茶を入れるのには適していないものもあります。水出しで作るお茶には様々な利点があり、一般的なお湯で入れるお茶には、苦味や渋味成分であるタンニンの苦味であるカテキン、またカフェインもほとんど出て来ませんので、お子さんやお年寄りなどはもちろん、寝る前に飲んだとしても眠れなくなるなどということはほとんど無いのです。また苦み成分であるカテキンは、飲まれてみればおわかりのように苦味があまり無く、代わりにエピガロカテキンが出る事がわかっています。

このエピガロカテキンは、ガロカテコールとも呼ばれる抗酸化物質の一つで、フラバノールの1種ですが、人体に吸収される事で白血球の免疫細胞を活発化し、ビタミンCと共に風邪や感染症などの病気予防に大いに役立つとされています。氷水で入れる方法もあり、時間はかかりますが通常のお湯を使って淹れる茶に対して、旨味度は5割増しになるという実験結果もあります。